【 おかしければ直せばいい。なければ創ればいい。】

年金記録改ざんで特別チームが初会合も変だよ …逮捕(告発)しちゃうゾウ

 TVニュースで、「年金記録改ざん 特別チームが初会合」と騒いでいました。
 

 厚生年金の額を決める際の基準となる標準報酬月額が改ざんされていた問題で、舛添厚生労働大臣社会保険庁の職員の関与について調べるための特別チームを設置しました。チームは大臣直属のもので、弁護士4人で構成されています。舛添大臣は「法と証拠に基づいて厳正に処分する」と述べ、職員の関与が明らかになった場合には刑事告発を検討するとしています。

 “おーい・おい”、「刑事告発を検討する」では変ですよ!? ひょっとして、大臣も法律を正しく理解さていないようですね。
 「職員の関与が明らかになった場合」に判断を誤ると、今度は大臣が逮捕(告発)されちゃうぞ。
 ちょうど、よい機会なので、私流の「刑事告発」について分かり易く伝えたいと思います。
 法律では、刑事訴訟法(第2編 第一審 第1章 捜査) 第239

239 条 何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。
官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない

 ここでのキーワードは、「官吏又は公吏」と「告発をしなければならない」にあります。この第239条では、第1項で全ての人を対象にしていますが、第2項では「官吏又は公吏」のみが対象です。
 はじめに、「犯罪があると思料するとき」の「思料」とは、昔の言い方で少し分かり辛いのですが辞書では「いろいろと考えること。おもんぱかること。思慮」とあり、注意深く心配りして考えた末に犯罪があると判断した際には刑事告発することができることです。
 そして、第2項の「官吏又は公吏」とは、「国家公務員又は地方公務員」のことで、裁判官や、総理大臣及び議員さんなども含まれます。
 次に法律(規則)では、「…することができる」、「…できる」とあるのは、裁判官の裁量に任せることを意味します。簡単に言えば、裁判官が「する・しない」を決めてよいことです。
 しかし、「…しなければならない」とあるものは、しなければ法律違反で、裁判官でも罰せられます。即ち、「国家公務員・地方公務員」は、「犯罪があると思料するとき」は告訴しないと法律違反になります。
 よくお役所で次のような話を聞くことがあります(記者会見も…)。
 「それほど大きな問題でもなく、本人も反省していることから今回は刑事(内部)告発しないことにしました」なんてね。一部例外もありますが、これは困ったことに犯罪行為なんです。
 もう伝わったと思いますが、第1項に「何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる」とあり、その同病相憐れんで「告訴しない」とした公務員(国家・地方)を告発することができます。
 小学校で習いましたよね、「法律を知らなくとも罰せられます」とね。無論、正しく理解(解釈)してなくとも同様(上司になればなるほど、職務を行う資格がないことになる)
 また、罰則規定のない法律(規則)や憲法違反では起訴することはできませんとおっしゃる方がいます(これも困ったものです)。極端な例えとして、起訴できないのは一般の方です。これらの違反行為は、お気の毒ですが公務員(国家・地方)の方たちは、有るまじき行為として総称される諸規定で公務員法(国家・地方)などで罰則も規定されています。また、懲戒や罰則のない違反は、刑法の第193条(公務員職権濫用)などの「汚職の罪」に多くが当たる事実がある。このような起訴の流れを、たしか「関連起訴」と言っていたような記憶があります(週末、この流れの名称を聞きに行った弁護士さんでは、名称が分らいってさ、“ぷんぷん”で時間の無駄でしたが、別件ですが多少よい情報もつかんだぞ)
 そう、この第239 条は、正しく活用すれば、悪しき公務員(国家・地方)を一網打尽に退治することができる良い法律なんです。
 だって…、「私には義務はない」なんて言ってる奴がいるでしょう(「見て見ぬ振り」する奴)。仮に他者がやってる犯罪行為を犯罪だと思料することもできない者は、上司になればなるほど職務を遂行する資格がなくなることから悪しき行為に含まれることになりますよね。
 ぜひ、みなさんも活用してください。
注意) 途中で「一部例外もありますが」としたものですが、誤解されと困るので補足します。
 たとえば、公立中学校でタバコを吸っている生徒を先生が見付けたことを考えて下さい。法律では、先生(公務員)は生徒を告訴する必要があります。しかし、このようなケースの場合は、広い意味で先生の裁量に任せる例外とされることがあります。先生の裁量で、「注意するだけ」、「学校規則で停学」、「常習犯だから告発」などが考えられる。
 無論、自分の職務に関することでの例外はありません(速やかに告発されてください)。

−以上−